2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『日本語語用論のしくみ』(町田健編/加藤重広著)

語用論に関する本。 語用論とはなにか? というと、なかなか説明は難しい。 「文脈を考慮して用いられたことばの意味や働きを考察する」のが言語学の一応の定義。 これだけでは漠然としているので、本書でも1章を使って、どういうものか詳しく説明していま…

『はじめからの数学 確率と統計』(ジョン・タバク)

確率論と統計学がいかにして成立したか、その歴史を綴った数学入門書。 ともに、現代においては政治にネットワークに産業等、あらゆる分野に絶対不可欠な数学の一部門。 だけれど、実際にそれらが学問として探求されはじめたのは、いまからせいぜい四、五百…

『力士はなぜ四股を踏むのか?』(工藤隆一)

相撲の仕組みから伝統、力士の鍛錬法等をわかりやすくおしえてくれる本。 著者は、元スポーツ新聞記者で相撲等を担当していた人。 力士や相撲部屋に密着した視点から書かれていて、単なる「なぜなに本」とは趣を異にしていて好印象。 実は相撲もわりと好き。…

『記号の知/メディアの知 日常生活批判のためのレッスン』(石田英敬)

「一般記号学」の本。 ソシュールとパースが提唱した「記号学/論」についての解説からはじまり、メディア化した現代社会を意味の観点から捉え、読み解いていく。 読み応えはたっぷり。 興味のあるジャンルなので読んでて楽しいし、読み通せば、なんとなくわ…

『遊ぶ日本語 不思議な日本語』(飯間浩明)

「日本語」の表現やことばを、様々な用例を元に分析し、楽しんでいく本。 「人々」「山々」「木々」はいえるのに、「川々」や「猫々」とはいえないのはどうして? とか。 「ご苦労さま」ということばの本来の意味と用法、とか。 「使わせてもらう」を「使わ…

『日本人を元気にするホンモノの日本語』(大岡信・金田一秀穂)

大岡信氏と金田一秀穂氏の対談集。 大岡信氏に興味がなければ、読んでいてあんまり楽しくはないかも。 「日本語ブームなんてありえない」というのは、その通りだと思う。 あと「美しい日本語」とか「美しい日本」とかも。 基本的に、現代日本における「こと…

『前頭葉は脳の社長さん?』(坂井克之)

前頭葉の中でも特に前方にある部分「前頭前野」についての解説書。 様々な実験によってしだいに解明されてきた「前頭前野」の正体、機能、メカニズム等を、平易に説明していく。 多彩な比喩を用いて「前頭前野」について解説していくのだけれど、その例え方…

『幽霊人命救助隊』(高野和明)

高野和明氏初読。 自殺した4人の男女が、49日間で100人の自殺志願者を救えと神様に命じられ、強制的に地上(現代の東京)に落とされてしまう。 神様からあたえられたいくつかの装備を手に、自殺志願者たちを止めるべく悪戦苦闘する4人の奮闘ぶりを描くエン…