2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『役に立つ一次式』(今野浩)

タイトルだけだと中・高の数学参考書のようだけど。 本書のサブタイトルは『整数計画法「気まぐれな王女」の50年』。 「整数計画法」という応用数学の一分野がいかに生まれ、挫折と発展を経て現在に至ってるかを描くドキュメンタリー。 例によって数学的知識…

『翻訳者はウソをつく!』(福光潤)

翻訳に関するトリビアや裏話や業界事情などをエッセイ風に綴った新書。 それなりに興味深いテーマを扱っているんだけど、全般的にテキストが淡白というか内容が薄いというか……。 もうちょっと突っこんだ記述が欲しかった。 まあ、こんなもの。翻訳者はウソを…

『数学する遺伝子』(キース・デブリン)

人は程度の差こそあれ数学をする能力を持っている。 それは人が進化の過程で「言語の遺伝子」を獲得してきたように、「数学の遺伝子」も獲得してきたからだ。 ではなぜ人は「数学の遺伝子」を獲得する必要があったのか? その謎を解き明かす……というのが本書…

『詩の日本語』(大岡信)

・なぜ、ボードレールの原詩より日本語の訳詩の方が「むつかしい」言葉を使って訳されているのか。 ・なぜ、日本の詩歌は物や心の「うつろい」をうたう時、とりわけ精彩を発揮するのか。 ・なぜ、日本の文学批評は笑いや風刺や遊びの作品を低く見る傾向を持…