2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『風林火山』(井上靖)

NHK大河ドラマの原作。 なんとなく興味を覚えて手にとってみた感想は……薄い。 山本勘助の若い頃の話が描かれているわけでもなく、たぶん、ドラマとは別物。 というか、大河ドラマは観てないし。 こういうストレートな時代小説はあまり読み慣れてないので…

『はじめからの数学5 数学と自然法則 科学言語の開発』(ジョン・タバク)

初心者向け、数学史読本。 古代の天文計算から、アルキメデスの原理、運動量保存則、質量保存則、熱力学の法則、エントロピー、遺伝学等の発見・成立過程と数学との関わりを平易に語る。 抽象的な概念や難しい数式等は一切なし。 中学、高校時代に習った「数…

『奇偶』(山口雅也)

文庫の帯に「日本推理小説界四大奇書に連なる第五の奇書!」とあって、それが山口雅也氏の著書となれば、いやでも期待は高まるわけで。 ちなみに四大奇書というのは、 『黒死館殺人事件』(小栗虫太郎) 『ドグラ・マグラ』(夢野久作) 『虚無への供物』(…

『揺れ動くニホン語 問題なことばの生態』(田中章夫)

日本語の「敬語」に「方言」「漢字」「言葉遣い」等々の歴史的変遷や現状に関する本。 豊富な調査データや資料をもとに、日本語が現在どういう状況になっているのか、客観的に教えてくれます。 「ら抜きことば」に代表されることばの「ゆれ」や敬語の「乱れ…

『なぜこの方程式は解けないか?』(マリオ・リヴィオ)

symmetry(対称性)および「群論」に関する数学史。 「群論」というのは、不世出の天才数学者ガロアが創造した概念で、現在では、「対称性」に関わるあらゆる領域の問題解決の「公用」語になっている。 相対論や量子論、超ひも理論等を記述するのに不可欠な…

『四色問題』(ロビン・ウィルソン)

「四色あれば、どんな地図でも 隣り合う国々が違う色になるように 塗り分けることができる」 いまからおよそ1半世紀前に提起されたこの数学問題の証明に挑んだ数学者たちの苦闘を描いた本。 幾多の数学者がこの難問に挑み、試行錯誤と失敗を繰り返しながら…

『EQを高める言葉の遊び』(井上浩子、涌井貞美)

和歌のレトリックにある沓冠(くつかぶり)、いろは歌のアナグラムと「咎無くて死す」、「回文」や「挟み詞」の話、作家のペンネームの話、歳時記、漢字の読みや種類、「字謎」、隠喩に暗喩、助数詞……等、言葉(日本語)に関する話題を集めた本。 本当にEQ…

『軌道離脱』(ジョン・J・ナンス)

ひさしぶりのナンスの新刊。 しばらく翻訳がでてなかったけど、まだまだ健在でしたか。 新潮だったら絶対分冊されてたろーと思うと、早川でよかった。 ナンスは、航空小説の名手で、第一人者。 翻訳がでたら必ず読んでしまう作家のひとり。 今作では、飛行機…

『メルロ=ポンティ 哲学者は詩人でありうるか』(熊野純彦)

フランスの哲学者メルロ=ポンティの著作『知覚の現象学』をテクストにして、その思想を説いた入門書。 薄い本で、文章も平易なので、手軽でとっつきやすい。 人が「身体を生きる」とは、どういうことか。 身体の前に開かれた「世界」と感覚の関係とは、等。…

『寝ても覚めても本の虫』(児玉清)

「パネルクイズアタック25」の司会者、児玉清さんの読書エッセイ。 本を読む楽しさが全編に満ちていて、活字中毒な自分には共感することも多くて、とても気持ちよく読めました。 唯一難だったのは、本書で紹介されている小説が、S・シェルダン、M・H・ク…

『赤を見る 感覚の進化と意識の存在理由』(ニコラス・ハンフリー)

一読しただけではチンプンカンプンで、二読めでようやく内容をなんとなく理解。 叙述されている内容が難解なわけではなく、述べられてることがかなり常識はずれな所為。 とはいえ、思わず何度も読んでみたくなるような不可思議な魔力を備えた本。 「赤いスク…