2008-01-01から1年間の記事一覧

『俳句 四合目からの出発』(阿部筲人)

作句の際に初心者が陥るワナを網羅した俳句指南書。 初心者の作った膨大な数の俳句を徹底的に分類し、紋切り型表現を総ざらえしてバッサリ切り捨てる。 けっこう分厚い本ながら、独特かつユーモラスな文章で読ませます。 その辛辣な切り口は、読んでて爽快で…

『彷徨える艦隊 旗艦ドーントレス』(ジャック・キャンベル)

久々に買った新刊青背。 冷凍睡眠から蘇った過去の英雄が、危機的状況に在る宇宙艦隊の提督にいきなり就任。 艦長達の信頼を獲得しながら、決死の退却戦を敢行する…という話。 ホーンブロワーやラミジ艦長等々往年の海洋帆船小説を彷彿とさせる設定とノリが…

『聖なる幾何学』(スティーヴン・スキナー)

美術や建築、自然界、天文学等と幾何学との関係を綴った解説書。 カラー図版や写真を多用し、見た目にも楽しい内容になってます。 筆者が若干『ダヴィンチコード』に傾倒しすぎな印象がちょっとアレながら。 幾何学の面白さを再確認できる良書。聖なる幾何学…

『『クロック城』殺人事件』(北山猛邦)

古本屋で本書を見かけて、面白そうと思って購読。 不見識ながら、こういうミステリ作家さんがいたこともこれまで知りませんでした。 ライトノベルを彷彿させる世界設定やキャラ造詣(&ネーミング)ながら、トリックはわりと本格。 『カリオストロの城』を観…

アトリエかぐや『ダンジョンクルセイダーズ2〜永劫の楽土〜』

『毎日がM!』に続いて、 アトリエかぐやTEAM HEARTBEAT 『ダンジョンクルセイダーズ2〜永劫の楽土〜』 にも末端(サブ)ですがシナリオ参加させていただきました。 ヒロイン数人のHシーンを十数本ほど。 ある意味、これまでになく試行錯誤しながら執筆し…

蒟蒻ゼリー規制

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自分自身は全然食べないので、市場からなくなっても困らないのだけど。 やっぱり規制は異常だと思う。 というかいつどんな規制を受けるか知れない仕事に従事してる者としては、ある意味他人事ではなくて。 マンナンライフさんには是非とも、もちゼリーを開発…

『旧かなづかひで書く日本語』(萩野貞樹)

少し前から短歌や俳句に傾倒気味で、旧かなづかひにも惹かれいて。 旧かなの方が日本語として自然で理にかなっているのは確かだし、できれば使いこなしたい。 とはいえエロゲのシナリオを旧かなで書くわけにはいかないわけで、実際に使用する機会はないだろ…

『古代出雲への旅』(関和彦)

幕末期、『出雲国風土記』を片手に出雲を旅した人物、和四郎の手記を片手に出雲の史跡、社殿を巡った著者の旅行記。 出雲には以前から惹かれるものがあって、いつかは訪ねてみたいと思いつつ手にとってみた。 幕末期の旅というのがどういう風情なのか、そこ…

アトリエかぐや『毎日がM!』

タイトル発表されたので、解禁。 アトリエかぐや 『毎日がM!』 ちょっぴりMなAVG。 サブのサブ程度のお手伝いですが、ちょっとだけシナリオ参加です。 いままでにないジャンルで微妙試行錯誤しつつ、愉しんで書かせていただきました。 2008年11月28日…

『ものと人間の文化史143 人魚』(田辺悟)

タイトル通り“人魚”の本。 といっても民俗学的に、その成立や意味を問いかけていく内容ではなく。 人魚が登場する、あるいはモチーフとなっている古今東西の文献や文学、伝説・伝承、芸術、建築、歴史遺物、切手、工芸品云々を網羅する。 人魚コレクターな筆…

Frill『孕ませ王−ハラマセキング−』

Frill(フリル) 『孕ませ王−ハラマセキング−』 タイトル通り、孕ませモノ。 腹ポテ妊婦が好きな方にオススメ。 海賊王女ウルズのシナリオを担当しました。 “海賊”は好きなジャンルなこともあって、愉しく書かせてもらいました。 9/26発売予定。

『ドゥームズデイ・ブック(上・下)』(コニー・ウィリス)

ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞受賞作。 文庫本にして超分厚い上下二分冊。 ひさしぶりに読んだSF大作。 ページ数を感じさせない圧倒的な語り口で、一気に読ませる筆力は凄まじい。 大作のわりには作中で起きてることは、非常に狭い範囲での出来事…

『パーソナリティ障害』(八幡洋)

表題通り、パーソナリティ障害の入門書。 パーソナリティ障害って何?という人向けの平易な概説書。 前半では、パーソナリティ障害の研究史を、後半では、パーソナリティ障害をDSM(精神障害の分類と診断の手引き)によるカテゴリーごとに取り扱う。 本書…

『大砲と帆船 ヨーロッパの世界制覇と技術革新』(C・M・チポラ)

近代以降、ヨーロッパが世界規模の覇権を打ち立てることができた原因を、「大砲」と「帆船」の発明と発展に絞りこんで解き明かしていく。 ただし言及の大半は「大砲」の方。 技術面を解説するのではなく、文化や社会、産業、流通、経済的側面からみた「大砲…

『どこまでも殺されて』(連城三紀彦)

倒叙系ミステリ。 連城三紀彦氏の作品は以前『暗黒コメディ』を読んだことがあるくらいで、いまいち自分には合わないなぁ……と思いつつ、雲の上のお方なので、襟を正して本書を読ませていただきました。 ………………。 …………。 ……うーん。 微妙。 たしかに意外性の…

『より深い作句をめざして』(廣瀬直人)

カルチャー教室で俳句を教える著者が教授する、作句のポイントについての解説本。 俳句を読むのは嫌いではないけど、作る趣味はいまのところなし。 俳句とか短歌は「ことば」に徹底的にこだわる世界なので、文章を書いて日銭を稼いでいる身としては、いろい…

『ハーンの秘宝を奪取せよ(上・下)』(クライブ・カッスラ−)

カッスラーの新作を読んだときの常套句。 「いつものカッスラー」 NUMAのことをちょっとマジメに調べりゃ、野望を成就したくば絶対に手をだしてはならない相手だってわかるだろうに。 なのにあえてにちょっかいかけて返り討ちに遭うとゆー……悪役自滅のパ…

『日本語の個性』(外山滋比古)

「日本語」に関するエッセイ集。 翻訳における日本語と英語の相違とか、言文不一致の話とか、政治家の言葉の軽さとか。 内容的には、この手の「日本語」エッセイでたいがい取り上げられるオーソドックスなテーマを、筆者独自の経験と視点でつづったもの。 整…

『数学はじめて物語』(ピーター・S・ラドマン)

バビロニアやエジプトで、いかに数学(主に代数)が生み出され、発展していったかを考察していく数学読本。 たとえば、時間計測であたりまえに使われている60進法(しかも10進法と混合する奇妙な計数法)が、なぜバビロニアで興り、現在もなお続いている…

『数のパズル読本』(秋山久義)

数独パズルに、カードやコインを使った数字当てゲーム、数理マジック、虫食い算に覆面算等々、数にまつわる「パズル」と「遊び」を、その歴史や論理もまじえて紹介する本。 パズルの世界はオクが深い。 良書。 数独パズルとか、時間があればハマってみたい気…

『心くばりの文章術』(高橋麻奈)

相手に伝わるビジネス文書を書くための心構えを述べた文章入門書。 内容は平易で、それほどたいしたことは書いてない……というか、まあ、あたりまえのことしか書いてない。 自分の日本語能力再確認のためさっと目を通してみただけ。 仕事柄、ビジネス文書の作…

『禅銃<ゼン・ガン>』(バリントン・J・ベイリー)

『カエアンの聖衣』につづいて20ン年ぶりに再読。 『カエアン〜』でベイリーにちょっとハマッて、当時、ワクワクしながら『本書』を読んだ記憶が。 ただ“後退理論”とか当時はよくわからなくて、ストーリー的にも『カエアン〜』ほど絢爛さがなくて。 読後の感…

『日本語力』(樺島忠夫)

「悉皆(しっかい)」の意味はどれか? 1)失礼な態度 2)壁などに塗る石灰を材料とするもの 3)すべて、ことごとく とか。 「いたけだか」の「いたけ」とは何か。 1)座高 2)威勢 3)得意 とか。 初級、中級、上級にわけて日本語の語彙や慣用句、表…

本日解禁

システムソフト・アルファー http://www.ss-alpha.co.jp/products/moesen.html PS2&PSP『萌え萌え2次大戦(略)デラックス』 追加シナリオ(の一部)を書かせてもらってます。 多彩なヒロインをいろいろ動かしてくのは楽しいです。 ちなみに個人的にお気に…

仕事情報

本日発売 WitchFlame 『瞳の烙淫〜淫縛の牝奴隷〜』 かすか量名義にて、Hシーンを10編程書かせていただきました。 ジャンルは“精神汚染系発情ADV”。 ヒロインたちが可愛いです。

『日本古代人物伝 謎と生涯』(前田晴人)

古代史に登場する有名人から有名でない人物まで、その生涯や生きた時代の社会情勢等を綴った評伝・論文集。 大己貴命に卑弥呼、崇神天皇、武内宿禰、天智天皇といったメジャーな大御所から、蘇我倉山田石川麻呂、阿倍比羅夫、藤原八束、巨勢朝臣広足、氷上川…

『カエアンの聖衣』(バリントン・J・ベイリー)

新刊ででたときに読んで以来、20数年ぶりの再読。 ああ、こういう話だったなぁ……と、まったく覚えてなかったけどノスタルジー。 奔放なイマジネーションと奇想天外なアイデア云々の煽り文句に偽りなしなワイドスクリーンバロックの傑作。 いい意味で荒唐無稽…

『残虐行為記録保管所』(チャールズ・ストロス)

オカルトとクトゥルフと現代物理&数学(量子論やトポロジー等)を融合した意欲作。 表題作「残虐行為記録保管所」とその続編「コンクリート・ジャングル」の2編を収録。 なんつーか、個人的にはいまいちキャラに感情移入できなかったものの、イマジネーシ…

『言語学 第2版』

ラングとパロールからはじまり、シニフィアンとシニフィエ、シンタグムとパラダイム、句構造、形態素、語彙素、統語論に意味論、アスペクトにモダリティー、言語類型論、語源研究、音声学……等々。 言語学とはどういうものか、章立てでわかりやすく俯瞰してく…

『遭難船のダイヤを追え!(上・下)』(クライブ・カッスラー)

「ダーク・ピット」シリーズからスピンオフした「オレゴン・ファイル」シリーズの本邦第1作。 といってもシリーズ内では四作目にあたるらしい。 狂信的で過激な環境保護組織の陰謀を叩き潰すのが本作の内容。 世相的に微妙にタイムリー。 やたら登場人物が…