2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『日本の弓術』(オイゲン・ヘリゲル)

著者のオイゲン・ヘリゲル(1884−1955)は、ドイツの哲学者で、後に禅の研究に没頭した人物。 大正15年頃、来日して弓道の大家に師事、5年間の修行で5段の免状を経て帰国。 本書はそのヘイゲル氏が、帰国後ドイツで行った講演の原稿を翻訳したもの。 ちょ…

『生物と無生物のあいだ』(福岡伸一)

「生命とはなにか」を追求する生物学の本。 名は知られてないが、淡々と「生命」について探求し続けた生物学者のエピソードとその研究成果。 あるいは、DNAの二重螺旋構造を“発見”したワトソンとクリックにまつわる、スキャンダルめいた逸話等を盛りこみ…

『魔術との出会い いま再びルネサンスを』(澤井繁男)

ルネサンス期における(白)魔術や錬金術、占星術の思想を説いた本。 数学者としても有名なカルダーノや、“魔術師”デッラ・ポルタの著述等をとりあげる。 自然を支配下に置こうとする父性原理のキリスト教と、アニミズムに基づく母性原理の<魔術>の対比が…

『QED 河童伝説』(高田崇史)

いつもの『QED』。 サブタイ通り今作は、全国に伝わる河童伝承をどう解釈していくかという話。 最後に到達する結論も、おおむねいつもとおなじ。 ただし今回はまだ「証明終わり」してないのが、微妙いつもとちがう。 このシリーズもいいかげんマンネリ化…

『まちがいだらけの日本語文法』(町田健)

学校で習う国文法の欠点を指摘し、様々な事例を挙げてより深く詳細に解いていく。 たとえば、「ようだ」と「らしい」はともに“推定の助動詞”と呼ばれるが、その意味のちがいは学校文法では教えてくれない。 では、その区別はどうなってるのか? ……とか。 そ…

『メビウスの帯』(クリフォード・A・ピックオーバー)

「メビウスの環」に関する解説本。 メビウスの環を“発見”した数学者アウグスト・フェルディナント・メビウスの生涯と系譜、トポロジー、結び目理論、クラインの壷、エッシャーの版画にペンローズ・タイル、メビウスの環を扱った様々なアートやノベル、映画、…

『エドマンド・ゴドフリー卿殺害事件』(ディクスン・カー)

ディクスン・カー(カーター・ディクスン)は、ミステリにハマるきっかけになった作家。 かつ、いまでもハマりつづけている唯一の作家。 一時、刊行されてる翻訳を一気に買い集めまくったため、どれが既読でどれが未読がわからなくなって、いまに至ってて。 …