『ゴーレムの檻 三月宇佐見のお茶の会』(柄刀一)

柄刀氏を読むのは、『3000年の密室』につづいて2冊目。
“宇佐見博士”を探偵役にした(連作)短編集。5篇収録。
宇佐見博士(の意識)が異世界に迷いこんだり過去に跳んだりする、多少の不思議時空展開もありますが。
内容は本格推理。
各篇、エッシャーの「上昇と下降」やシュレディンガーの猫などが絡めてあって、独特の雰囲気をつくってます。
まあでも、コーヒー党の私には、午後の紅茶の愉しみというのがいまいちわからなかったりするわけですが。
 
柄刀一氏は、著作量もわり多いわりには、私のなかではどことなくマイナーなイメージ。
本書の解説で名前がでている麻耶雄嵩山口雅也ほど、鬼才という感じではなく。
島田荘司二階堂黎人ほどドハマりすることもなく。
有栖川有栖ほど、安心して読める印象もなく。
……でも、気になる作家さんのひとり。

ゴーレムの檻 (カッパノベルス)

ゴーレムの檻 (カッパノベルス)