『極東細菌テロを爆砕せよ』(クライブ・カッスラー&ダーク・カッスラー)

ダーク・ピット・シリーズの第18弾。
原題『BLACK WIND』が、ずいぶん直球な邦題になっちゃって、まあ。
今回の敵は、将軍様の国、北○鮮。
首魁は、大実業家として大韓○国に潜入している北○鮮工作員
……折しもお隣の国では、政治家のスパイ疑惑問題が騒ぎになってるようで、じつにタイムリー。
いろんな意味で溜飲のさがる人が多そうな問題作かもしれない(笑)。
  
ぶっちゃけ、いつものカッスラーといってしまえば、それまでな内容でした。
飛ばし読みでも、充分、ストーリー追っていけるし。
ただし今回の主役は、ダーク・ピットJr.の方。
なんか完全に世代交代しちゃって、若かりし頃の親父さんの完全クローンと化してます。
さらにそのJr.の相棒として、ダールグレンという(ジョルディーノを彷彿させる)キャラが登場したり。
二卵性の双子の妹サマーの存在が、微妙、萌え要素になってたり。
親父のダークの方はNUMA長官に就任、出番は少ないながら、老骨に鞭打ってしっかり後半、アクションシーンもこなしてくれたり。
でもってサンデッカーおじさんは、合衆国副大統領になってて。
無敵だな、NUMA。
 
共著者のダーク・カッスラーは、クライブ・カッスラーの息子。
今作では、この息子の方がメインでプロットをつくり、執筆にあたったそうな。
こちらの方もうまく世代交代できていて、これまでのシリーズとまったく違和感なし。
このまま孫の世代まで、シリーズを書きつづけていって欲しいものです。

極東細菌テロを爆砕せよ〈上〉 (新潮文庫)

極東細菌テロを爆砕せよ〈上〉 (新潮文庫)

極東細菌テロを爆砕せよ〈下〉 (新潮文庫)

極東細菌テロを爆砕せよ〈下〉 (新潮文庫)