『ケプラー予想 四百年の難問が解けるまで』(ジョージ・G・スピーロ)

フェルマーの最終定理」とならぶ未解決の超難問「ケプラー予想」が解決されるまでの、数学者たちの軌跡を描く数学ノンフィクション。
  
「大きさの等しい球をもっとも効率よく三次元空間に詰めこむ方法は、果物屋の店先にオレンジが積まれるときの方法と同じである」
 
というのが、ケプラー予想
  
最終的にはコンピュータを使い、有限個のケースをしらみつぶしに調べて(潰して)いくことで、証明は完成する。
四色問題」と同じようなプロセスを経て、最後は、「コンピュータによる証明は、はたして証明と呼べるのか?」という問題へと帰結。
ワイルズによる「フェルマー予想」の証明がトルストイの『戦争と平和』なら、「ケプラー予想」「四色問題」の証明は“電話帳のようなもの”だというたとえが、いいえて妙。
 
本書でも、多くの数学者たちのエピソードが盛り込まれていて。
それらエピソードが積み上がって、最終的な「証明」へと(紆余曲折を経つつ)結び着いていく過程は、やっぱり面白い。

ケプラー予想

ケプラー予想