『ツクヨミ 秘された神』(戸矢学)
アマテラス、スサノオと並ぶ神でありながら、記紀をはじめとする文献にほとんど記述されていない神、ツクヨミ。
この"謎"の神の由来、正体に迫る研究書。
三種の神器や陰陽道等を論考し、「ツクヨミ」とはなにかを読み解いていく。
「ツクヨミ」をメインテーマに扱った専門書自体、本書がはじめてだそう。
極論すれば、ツクヨミ=天武天皇。
一時は栄華を誇った天武朝も、桓武天皇の即位によって天智朝がはじまると、しだいにその系譜は排斥されていく。
結果、「ツクヨミ」という神の存在自体、排除されていった。
だから、アマテラスやスサノオに比べて文献が少ない、というのはワリと納得。
まじめな本なんだけど、この手の研究書を読むとなぜか高田崇史 の『QED』シリーズをイメージしてしまう。
- 作者: 戸矢学
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2007/03
- メディア: 単行本
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