『ツクヨミ 秘された神』(戸矢学)

アマテラス、スサノオと並ぶ神でありながら、記紀をはじめとする文献にほとんど記述されていない神、ツクヨミ
この"謎"の神の由来、正体に迫る研究書。
三種の神器陰陽道等を論考し、「ツクヨミ」とはなにかを読み解いていく。
ツクヨミ」をメインテーマに扱った専門書自体、本書がはじめてだそう。
  
極論すれば、ツクヨミ天武天皇
一時は栄華を誇った天武朝も、桓武天皇の即位によって天智朝がはじまると、しだいにその系譜は排斥されていく。
結果、「ツクヨミ」という神の存在自体、排除されていった。
だから、アマテラスやスサノオに比べて文献が少ない、というのはワリと納得。
 
まじめな本なんだけど、この手の研究書を読むとなぜか高田崇史 の『QED』シリーズをイメージしてしまう。

ツクヨミ 秘された神

ツクヨミ 秘された神