『妖魔の森の家』(ディクスン・カー 著)

島田荘司氏にハマるよりさらに前、ディクスン・カーカーター・ディクスン)にバカのようにどハマりしていた時期がありました。
著作が多いので当然読み逃しも多くて、本書もその1冊。
 
短編4篇と中編『第三の銃弾』を収録。
表題作「妖魔の森の家」は、たしかにカーらしい傑作。
「赤いカツラの手がかり」はブラックユーモア……ということでいいのかな。
「軽率だった夜盗」と「ある密室」も、個人的になかなか。
 
……で、問題は中編『第三の銃弾』。
じつはこれ、ハヤカワ文庫から完全版がでていて、既読でした。
なのだけどトリックもすっかり忘れていて、いい機会なので完全版の方を引っ張りだして再読。
堪能。
怪奇趣味はかけらもないものの、密室へのこだわり方はまさにカーの面目躍如。
 
フレデリック・ダネイ(エラリイ・クイーンの片割れ)が本書を発掘するまで、カー本人すら書いたことを忘れてたとか。

妖魔の森の家 (創元推理文庫―カー短編全集 2 (118‐2))

妖魔の森の家 (創元推理文庫―カー短編全集 2 (118‐2))

第三の銃弾 完全版 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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