『太鼓叩きはなぜ笑う』(鮎川哲也 著)

かつて、鮎川哲也氏に狂ったようにハマった時期もありました。
というか、いまでもハマってます。
ただ著作数がけっして多いわけでないので、あえてセーブし、まだ読むのを控えている作品が何冊か。
本書もその1冊だったわけですが。
一度読みたくなったら、もう止まらない。
 
短編を4篇収録。
どれも鮎川氏らしくて、大満足。
安心して読めて、読後感もいいミステリはやっぱり貴重。
 
表題作の「太鼓叩きはなぜ笑う」は、ややラストがすっきりしない印象。
いちばんよかったのは「春の驟雨」。
チカン冤罪喰らったうえに、殺人犯あつかいされるのは……たまったもんじゃないなぁ、と。
 
ちなみに読んだのは徳間文庫版で、中町信氏が解説を書いているのが、個人的に嬉しかったり。
中町信氏も、けっこう好きな作家のひとりです。
……と、思ったら、東京創元社版は短編5篇収録なんですねorz.

太鼓叩きはなぜ笑う (徳間文庫)

太鼓叩きはなぜ笑う (徳間文庫)

太鼓叩きはなぜ笑う (創元推理文庫)

太鼓叩きはなぜ笑う (創元推理文庫)