『日本語の文法を考える』(大野晋)

某中央図書館のリサイクル図書で、無料でゲット。
やっぱり、すごく得した気分な1冊。
大野晋氏の著作も、けっこう手にはいりづらいものが多いので。
 
表題通り、日本語の文法の本。
日本語の文法は、研究者の解釈や方法論によってまちまちで、「大野文法」もまた中学高校で習う文法(橋本文法)とは微妙に一線を画してます。
といっても学校文法の基をつくった橋本進吉氏に師事しているので、系譜はおなじなのでしょうが。
「は」は既知のものを承け、「が」は未知のものを承けるという、かの有名な論が語られていて、これもまあ、その後の研究でいろいろ異論などもでてたりするわけですが。
個人的にはやはり、なるほどと思ってしまうわけで。
あるいは「が」はウチのものを扱い、「の」はソトのものを扱う。
そこから後世になって、「が」と「の」の使われ方がどのように変化していったかについての論説は、非常に明解でおもしろく、個人的には興味深く読める。
一方、動詞や形容詞の話になると、活用がメインになって、たちまちワケわからんっ……な世界になったりもするワケですが。

日本語の文法を考える (岩波新書 黄版 53)

日本語の文法を考える (岩波新書 黄版 53)