『エッシャー宇宙の殺人』(荒巻義雄)

エッシャーが描いた超建築物が実際に存在している街(世界)を舞台にした、ミステリ連作集。
その時点で一般常識や物理常識が歪んでしまうので、ミステリとしてどこまで成立するか否か興味深いところで。
まあ、微妙、夢オチ的なノリもなきにしもあらず、成功してるとはいいがたく。
ただ、本書の執筆されたのが昭和58年ということを考えれば、作者のやろうとしたことは、充分理解できるというか。
幻想SFとミステリの融合というか。
まあ、こういうのもありかな。
 
荒巻義雄といえば自分の中では伝奇SFの人で、中学、高校の一時期けっこうハマってたことも。
その後迷走して、果ては架空戦記の方へいってしまわれたため、大学にあがって以降はまったく読んでなかった。
じつにひさびさに、荒巻氏の著作を読みました。
……でもやっぱり、自分的にはもう過去の人だなぁ。

エッシャー宇宙の殺人 (中公文庫)

エッシャー宇宙の殺人 (中公文庫)