『四色問題』(ロビン・ウィルソン)

 
 「四色あれば、どんな地図でも
  隣り合う国々が違う色になるように
  塗り分けることができる」
 
いまからおよそ1半世紀前に提起されたこの数学問題の証明に挑んだ数学者たちの苦闘を描いた本。
幾多の数学者がこの難問に挑み、試行錯誤と失敗を繰り返しながら、じわじわとゴールへ近づいていく。
しかもそれは、コンピュータを用いての力業な証明だった……。
 
おなじく数学上の難問ながら、「フェルマーの最終定理」とはまた異なるアプローチを経て証明されていく過程が、素人目に興味深い。
コンピュータによる「証明」を「証明」と認めるかで、数学者たちのあいだで賛否両論があったというのもまた、印象深い。
  
「最小反例」とか「ケンプ鎖」とか「可約配置」とか「不可避集合」とか「放電法」とか……一部、私の頭ではオーバフローを起こす記述もあったりしたものの。
わからないところは適当に流しても、充分楽しく読めました。

四色問題

四色問題