『なぜこの方程式は解けないか?』(マリオ・リヴィオ)

symmetry(対称性)および「群論」に関する数学史。
 
群論」というのは、不世出の天才数学者ガロアが創造した概念で、現在では、「対称性」に関わるあらゆる領域の問題解決の「公用」語になっている。
相対論や量子論超ひも理論等を記述するのに不可欠なツールだそうで。
 
四次方程式までは解の公式があるのに、なぜ5次方程式にはないのか?
本書では、この謎に挑んだあまたの数学者、とりわけ夭逝したふたりの天才、アーベルとガロアに焦点をあて、彼らの生涯と業績を詳細に描いていく。
5次方程式の謎を解き明かすためガロアが導入したのが「群論」。
この「群論」がガロアの死後、いかに評価され、数理物理の世界にいかに導入されていったのか……?
  
難しい数式や幾何図形は一切なし。
心理学、芸術、娯楽等、多様な分野の話題にも言及しつつ、数学者たちのエピソード、秘話を多数盛りこんだ「読み物」になってます。

なぜこの方程式は解けないか?―天才数学者が見出した「シンメトリー」の秘密

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