『日本語とはどういう言語か』(石川九楊)
「言(はなしことば)」と「文(かきことば)」のふたつの視点から、表題通り“日本語”がどういう言葉なのかを捉える。
言語学的な観点とはまた異なる方向で論考されていて、新鮮。
三種の文字をもつ日本語の特殊性や、「美しき日本幻想」論、和語と漢語、孤立語・膠着語・屈折語の差違等、いろいろ興味深い内容が記されていて。
たとえば。
アルファベットを有する西洋は「言(はなしことば)」が中心なため、移ろいやすい「言」の信用を裏打ちするため宗教(神)の存在が不可欠だった。
漢字を有する東洋は「文(かきことば)」が中心なため、記された文字がそのまま“証文”となるため、西洋的な“神”は求められない。
ために全般的に非宗教・無宗教的な文化が広がった。
というのは、わりと納得させられる。
- 作者: 石川九楊
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/01/01
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