『オイディプス症候群』(笠井潔)

ハードカバーはどうにも手がでず、文庫に落ちたら読もうと思って待ってたら新書に落ちたので読了。
前作『哲学者の密室』より薄いとはいえ、この分厚さ(新書にして厚さ約4cm)。
登場人物らによる「語り」の要素を除けば、実質ミステリ部分は半分くらいに収まりそう。
だけどこのシーリズはその「語り」が醍醐味なわけで。
若干設定やトリックに無理があるような気もしないでもないけれど、そこは圧倒的な筆力で押し切る良質のミステリ。
読み応えは充分。
  
でもナディアって、客観的に見るとかなり痛いヒロインだよなぁ。

オイディプス症候群 (カッパ・ノベルス)

オイディプス症候群 (カッパ・ノベルス)