『カエアンの聖衣』(バリントン・J・ベイリー)

新刊ででたときに読んで以来、20数年ぶりの再読。
ああ、こういう話だったなぁ……と、まったく覚えてなかったけどノスタルジー
奔放なイマジネーションと奇想天外なアイデア云々の煽り文句に偽りなしなワイドスクリーンバロックの傑作。
いい意味で荒唐無稽。
とはいえ刊行された当時は読了後にすごい、すごいと感動の嵐で話題になった本書も、いま読み返すとわりと冷静に「ふーん」で終わってしまったりしなかったり。
いや、面白いんだけど、当時は奔放なイマジネーションと騒がれた要素も、いまではありふれてたりするわけで。
SFの世界もいろいろインフレしてるな〜ということを実感させられました。
まあ、ベイリーが俊英と紹介された時代のSFだし。
先駆的な意味合いでの本書の価値に色褪せることはなく。
ハヤカワSF文庫のこの表紙のイラストは何度見ても傑作だと思う。

カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512)

カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512)