『数と建築 古代建築技術を支えた数の世界』(溝口明則)

現代建築は、緻密な計算に基づいて設計され、建てられていく。
では、昔の建築物──ピラミッドや古代の神殿、古い寺社仏閣等はどうだったのか?
当時の数学はまだまだ萌芽の時代で、決して抽象的な概念はもたず、あくまで実用的なものだった。
ゆえに、当時の建築技術や遺構を研究するならな、当時の数学がどんなものだったのかを理解した上でおこなう必要がある。
だが実際は、現代数学などなかった時代の建物を、現代数学を用いて語る誤謬を犯してしまう研究者が少なくない……。

サブタイトルにある通り、古代建築に用いられた数学、というより算術についての研究書。
建築史の教授が書いた本なので、難しい数式等はいっさいでてこない。
文章もわりと平易で読みやすい。
前知識なしでも読めるけど、古代エジプトギリシャメソポタミア等で数学がどう扱われていたかといった知識があった方が、よりわかりやすいか。あと、黄金律とかも。

数と建築―古代建築技術を支えた数の世界

数と建築―古代建築技術を支えた数の世界