2007-01-01から1年間の記事一覧

『まちがいだらけの日本語文法』(町田健)

学校で習う国文法の欠点を指摘し、様々な事例を挙げてより深く詳細に解いていく。 たとえば、「ようだ」と「らしい」はともに“推定の助動詞”と呼ばれるが、その意味のちがいは学校文法では教えてくれない。 では、その区別はどうなってるのか? ……とか。 そ…

『メビウスの帯』(クリフォード・A・ピックオーバー)

「メビウスの環」に関する解説本。 メビウスの環を“発見”した数学者アウグスト・フェルディナント・メビウスの生涯と系譜、トポロジー、結び目理論、クラインの壷、エッシャーの版画にペンローズ・タイル、メビウスの環を扱った様々なアートやノベル、映画、…

『エドマンド・ゴドフリー卿殺害事件』(ディクスン・カー)

ディクスン・カー(カーター・ディクスン)は、ミステリにハマるきっかけになった作家。 かつ、いまでもハマりつづけている唯一の作家。 一時、刊行されてる翻訳を一気に買い集めまくったため、どれが既読でどれが未読がわからなくなって、いまに至ってて。 …

『日本語語用論のしくみ』(町田健編/加藤重広著)

語用論に関する本。 語用論とはなにか? というと、なかなか説明は難しい。 「文脈を考慮して用いられたことばの意味や働きを考察する」のが言語学の一応の定義。 これだけでは漠然としているので、本書でも1章を使って、どういうものか詳しく説明していま…

『はじめからの数学 確率と統計』(ジョン・タバク)

確率論と統計学がいかにして成立したか、その歴史を綴った数学入門書。 ともに、現代においては政治にネットワークに産業等、あらゆる分野に絶対不可欠な数学の一部門。 だけれど、実際にそれらが学問として探求されはじめたのは、いまからせいぜい四、五百…

『力士はなぜ四股を踏むのか?』(工藤隆一)

相撲の仕組みから伝統、力士の鍛錬法等をわかりやすくおしえてくれる本。 著者は、元スポーツ新聞記者で相撲等を担当していた人。 力士や相撲部屋に密着した視点から書かれていて、単なる「なぜなに本」とは趣を異にしていて好印象。 実は相撲もわりと好き。…

『記号の知/メディアの知 日常生活批判のためのレッスン』(石田英敬)

「一般記号学」の本。 ソシュールとパースが提唱した「記号学/論」についての解説からはじまり、メディア化した現代社会を意味の観点から捉え、読み解いていく。 読み応えはたっぷり。 興味のあるジャンルなので読んでて楽しいし、読み通せば、なんとなくわ…

『遊ぶ日本語 不思議な日本語』(飯間浩明)

「日本語」の表現やことばを、様々な用例を元に分析し、楽しんでいく本。 「人々」「山々」「木々」はいえるのに、「川々」や「猫々」とはいえないのはどうして? とか。 「ご苦労さま」ということばの本来の意味と用法、とか。 「使わせてもらう」を「使わ…

『日本人を元気にするホンモノの日本語』(大岡信・金田一秀穂)

大岡信氏と金田一秀穂氏の対談集。 大岡信氏に興味がなければ、読んでいてあんまり楽しくはないかも。 「日本語ブームなんてありえない」というのは、その通りだと思う。 あと「美しい日本語」とか「美しい日本」とかも。 基本的に、現代日本における「こと…

『前頭葉は脳の社長さん?』(坂井克之)

前頭葉の中でも特に前方にある部分「前頭前野」についての解説書。 様々な実験によってしだいに解明されてきた「前頭前野」の正体、機能、メカニズム等を、平易に説明していく。 多彩な比喩を用いて「前頭前野」について解説していくのだけれど、その例え方…

『幽霊人命救助隊』(高野和明)

高野和明氏初読。 自殺した4人の男女が、49日間で100人の自殺志願者を救えと神様に命じられ、強制的に地上(現代の東京)に落とされてしまう。 神様からあたえられたいくつかの装備を手に、自殺志願者たちを止めるべく悪戦苦闘する4人の奮闘ぶりを描くエン…

『ツクヨミ 秘された神』(戸矢学)

アマテラス、スサノオと並ぶ神でありながら、記紀をはじめとする文献にほとんど記述されていない神、ツクヨミ。 この"謎"の神の由来、正体に迫る研究書。 三種の神器や陰陽道等を論考し、「ツクヨミ」とはなにかを読み解いていく。 「ツクヨミ」をメインテー…

『忍者の生活』(山口正之)

忍者に関するまじめな研究書。 ……いま請けてる仕事の参考資料として読了。忍者の生活 (生活史叢書 (2))作者: 山口正之出版社/メーカー: 雄山閣発売日: 1981メディア: ?この商品を含むブログ (1件) を見る

『ケプラー予想 四百年の難問が解けるまで』(ジョージ・G・スピーロ)

「フェルマーの最終定理」とならぶ未解決の超難問「ケプラー予想」が解決されるまでの、数学者たちの軌跡を描く数学ノンフィクション。 「大きさの等しい球をもっとも効率よく三次元空間に詰めこむ方法は、果物屋の店先にオレンジが積まれるときの方法と同じ…

F1第2戦inマレーシア

F1

1強よりは2強でレースやってくれたほうが、盛りあがるはずなのに。 なに? この物足りなさは? ハミルトンは……走りがすごいのはわかるけど。 やっぱり応援するならクピカ。 マッサのふがいなさが、地味に目立っていたレースでした。

『八幡神とはなにか』(飯沼賢司)

古代日本6世紀〜8世紀のあいだに突如、鎮護国家の神として現れた八幡神。 西方の名も知れぬ存在だった「神」が、いかにして仏と日本の神々をつなぐ新しい国家神となっていったかを、歴史的な様々な事変との関わりのなかで解いていく。 京阪沿線、石清水八…

『宮田登 日本を語る13 妖怪と伝説』(宮田登)

民俗学の大家、宮田登氏の論文やエッセイ、講演集。 表題通り、日本各地に伝わる伝説や伝承、民話、妖怪話等をとりあげる。 本書によると、世界レベルからみて、日本の神話・伝説の量は豊富だそう(p.89)。 これは、もともとのオリジナルが、後世において都…

『名探偵たちのユートピア 黄金期・探偵小説の役割』(石上三登志)

ドイルにはじまり、ベントリー、ミルン、ノックス等の一発屋(?)から、ヴァン・ダインにクイーンにフィルポッツ、クロフツ、シムノン、クリスティ、ディクスン・カー、ハメット……etc. 黄金期の探偵小説を再読し、再評価する評論集。 ミステリにハマった時…

『美男狩(上・下)』(野村胡堂)

タイトルだけ見ると、耽美なBL小説ぽいけれど、さにあらず。 「銭形平次」の野村胡堂・著の大長編伝奇ロマン。 時は幕末維新前、闕所(けっしょ)になった大商人の隠し財産をめぐる争いを端緒に、多彩な人物の思惑、欲望、奸計、怨念等々入り乱れ、万華鏡…

『はじめからの数学2 代数学』ジョン・タバク)

メソポタミア文明の時代から、ピュタゴラスを経て、フェルマー、アーベル、ガロア、そして現代へと繋がる「代数学」の歴史と変遷、数学者たちの軌跡を描く数学入門書。 古代エジプトや中国、インド、イスラム等の数学の歴史についても言及。 日本の「算聖」…

F1第1戦inオーストラリア その3

F1

中継終了。 妥当なレース結果。 やっぱり今年はライコネンvsアロンソ、フェラーリvsマクラーレンがメインぽい。 ザウバーの仕上がりが相当よさそう。 ザウバーがチャンピオンシップを掻き回してくれたら、面白いシーズンになるかと。 アグリも良さそうなんだ…

F1第1戦inオーストラリア その2

F1

……と、思ったら。 クピカ、終わった……○| ̄|_...

『ベルクソン 人は過去の奴隷なのだろうか』(金森修)

19世紀〜20世紀にかけて活躍した哲学者ベルクソンの思想について説いた、初心者向け哲学入門者。 <純粋持続>と<知覚>について言及。 こういう本を読むと、難しい哲学をなんとなく理解した気にはなれる。 でも、たぶん勘違い。 ベルクソンの思想には、ち…

開幕! F1第1戦inオーストラリア その1

F1

現在、テレビ中継観戦中。 いちばん注目してるドライバーは、ザウバーのクピカ。 去年はデビューイヤーで表彰台に登り、今日もアロンソやライコネンにまざって、ザウバーのマシンで3位走行。 しかも年齢、22歳。 すごいドライバーなんですが。 なぜ、フジの…

『もしイヌに風船をつないだら?』

アメリカのとあるウェブサイト(有名らしい)に寄せられた疑問と、その回答をまとめた本。 「もし飛行機の中で銃を撃ったらどうなる?」 「もし山火事が自分の家に迫ってきたらどうなる?」 「もし(車の)ガソリンタンクに砂糖を入れたらどうなる?」 「も…

『黄金比はすべてを美しくするか?』(マリオ・リヴィオ)

黄金比の本。 黄金比とは、古来もっとも美しいとされる比率(1:1.618……)で、オウムガイの殻の出来方やひまわりの種の配列など、自然界にも多く存在している。 本書では、黄金比に憑かれた人々の逸話や、黄金比に関する古今東西のエピソード、伝説をとりあ…

『イリーガル・エイリアン』(ロバートJ・ソウヤー)

地球に異星人がやってきた。 やったー、待望のファーストコンタクト。 ところが異星人の滞在する施設で、地球人の惨殺死体が見つかった。 現場に残された遺留品や状況証拠から、犯人は異星人だと特定された。 ……ということで異星人を逮捕して、裁判にかけて…

『原田実の日本霊能史講座』(原田実・杉並春男)

卑弥呼や聖徳太子、役小角、空海、安倍晴明等、歴史的に有名な人物から、現代の宜保愛子まで、30人の霊能者をピックアップ。 彼らの業績(?)、足跡等を対談形式で紹介していく本。 「霊能者」を茶化すのではなく、彼らの生きた歴史背景や社会制度、文化・…

『言語と思考』(ニック・ランド)

認知心理学の入門書。 タイトル通り、言語と思考の関係を、章立てして論説していく。 日本語と英語、スペイン語など、言語がちがえば思考も違ってくるのか? とか。 話者の社会的背景や身分、性差によって言語はどうちがってくるのか? 等々。 個人的には本…

『サラマンダー殲滅(上・下)』(梶尾真治)

カジシン初読。 で、いきなりこれ。 テロリストに夫と子供を殺された美人妻が、戦士の訓練を受け、復讐を果たす物語。 と、いえば、新谷かおる氏の『砂の薔薇』を思いだす。 ただし向こうは現代社会が舞台、こっちはSF。 なんというか、直球ストレート、そ…